そもそも「なごや純米燗」とは

 さかのぼれば13年ほど前。「純米酒」造りにこだわり続けていた某蔵元と「純米酒」に出会って日本酒に対する考え方ががらりと変わった某消費者と、「地酒」ではなく「造りのしっかりした純米酒」に着目して試行錯誤をしていた酒販店が出会ったことに始まります。

 その後しばらくは自分さえ美味しい純米酒が飲めたら良いと考え、純米酒を理解する友人たちとだけ「純米酒」を楽しんでいたくだんの消費者は、それでも純米酒造りに励む数々の蔵元や良いお酒を求めて全国を訪ね歩く酒販店たちと交流を重ねていくうち、世間の大半が「純米酒」を知らないということに気づはじめました。良い酒を造っている蔵もどんどん廃業していきます。当初日本全国で大手を含め1,500あった酒メーカーが1,200以下に減ってしまいました。

 これはいかん!某消費者は某酒販店と話し合います。某酒販店はそのころには数多くの「良酒」を世間に送り出すようになっていましたが、一部のマニア以外は市場が育たない状況でした。が、ふたりともほんの少しずつではあるけれど「純米酒」ファンが確実に根をはり、芽を出し、葉を広げかけていることにきづいていました。

 細かいことを気にしないで、力まず普通に食事時に純米燗を呑んでもらえれば、きっと、その良さを知ってもらえる。知れば純米燗のない食卓はなんとかを入れないコーヒーのようなものになるはずだ。そのきっかけになるお酒の会をいつか名古屋で開こうよ。日本酒の本来の良さを見直す会にしたいね。料理もちゃんと食べてもらってね。蔵元を呼んでお酒を飲む会は多々あるけれど、蔵元に燗酒をお酌してもらう会はそうはないだろうね。日本酒のことを知らない人でも、美味しいものはわかるのだから、そんな人たちにゆっくり蔵元との会話も楽しんでもらいたいね。じゃあ、仲間も増えたことだし、やっちゃうか。と、思い始めていた矢先に、愛知県からお声がかかり、愛知万博の前夜祭ウィークの一環として、昨年3月19日に名古屋城の地上に降りた金鯱の横で青空純米燗イベントを開催しました。

 それなりに有意義な会でした。ただ、残念なことに、会場の制約から、料理を一緒に楽しんでもらうことができず(それでも仲間内の料理人が丹誠込めて作ったちょっとした肴だけでもなんとか、と言って付けさせてもらいましたが)、また、季節的に燗酒が当たり前と受け取られる時期でもあり、純米酒を燗で飲むことの意味合いが薄れてしまった感もありました。

 やはり、夏に純米燗を料理といっしょにゆっくり楽しむ会を開催したい。との思いは強く、あとはお尻を上げるきっかけさえあれば・・・。で、
 今回この会を開くことにしたというのは、つまりきっかけがあったわけです。(完読ありがとうございました)